アジア・大洋州地球科学会(AOGS)について
−第4回年会の報告と今後の予定−

             西田篤弘(AOGS President,総研大)
             斉藤義文(AOGS Secretary General, 宇宙研)
             佐竹健治(Solid Earth Section President, 産総研)

     7月31日から8月4日にバンコックにおいて第4回アジア・大洋州地球科学会が開催されました.約1200名が参加し,ほぼ同数の発表がありました.AOGSは,2004年の第1回大会以来,シンガポールで開催してきましたが,今回は初めて他の国で開催し,これまで最大の参加者数となりました.参加者を国別にみると,日本が約4分の1,韓国,中国,タイが約10%ずつで,アメリカ,台湾,インドと続きます.分野別では,超高層と惑星が全体の40%を占め,陸水,気象,固体地球,海洋と続きます.地球物理と地質学をカバーする固体地球が相対的に低い数字となっております.過去の大会では,発表を申し込んだのに参加しない,いわゆるno showが多いことが課題でした.今回は,事務局から事前申請を強くお願いすることにより,口頭発表のno showを約15%まで減らすことができました.

     今年の年会中に,次期の役員の選挙があり,会長(今年度は副会長)には韓国ソウル大学のLee Dong-Kyou氏(気象学)が,事務局長(今年度は副局長)にはシドニー大学のIver Cairns氏(超高層)が選出されました.各セクションのpresidentも選出されましたが,残念ながら日本からはどなたも入っておりません.現在は,我々3名がCouncil memberとして会の運営に参加しておりますが,このままでは2年後には日本からのメンバーが居なくなってしまいます.発表だけでなく,AOGSの運営にも日本 から積極的に参加して頂くようお願いいたします.

     来年の年会は6月16 〜20日に韓国の釜山で開催されます.ソウル大学をはじめとする主要大学やKIGAM(韓国地質資源研究院)などの国立研究機関から大学院生や若手を含む多くの研究者が参加する予定です.セッション提案はすでにAOGSのウエブサイトで受付けております.固体地球分野は他分野に比べて少し低調気味ですので,ぜひ積極的なご参加をお願いしたいと思います.KIGAMでは,会議後の巡検なども企画しているようです.なお,講演の申込締切は来年1月24日の予定です.

     2009年の年会はシンガポールで開催されます.今後は3年に1回はシンガポールで,それ以外の年はアジアの各地で開催する予定です.

     AOGSのウエブサイトは http://www.asiaoceania.org/ です.