日本測地学会賞坪井賞は、測地学の発展に大きな寄与をされた故坪 井忠二先生の業績を記念し、測地学の分野で特に顕著な業績を揚げ た若手研究者を奨励するために設けられた賞です。さらに、組織的研究 が要求されるという測地学の特性から団体研究が重要な意義を有するこ とに鑑み、顕著な業績をあげた団体を顕彰する団体 賞も2001年に設けられました。今までの受賞者と受賞記念講演論文 の題目(または受賞対象の研究)は次の通りです。
陸水質量移動に伴う重力擾乱の物理的モデリング
InSARとGNSSによる東北地方太平洋沖地震前と後の内陸地殻変動様式の解明
キネマティックGNSS時系列に含まれる微小信号の抽出
潮汐の応答係数に基づく月の深部構造の制約
リアルタイム・キネマティックGNSSデータ解析の高度化およびそれにもとづく巨大地震の震源断層即時推定手法に関する研究
海底地殻変動観測の包括的精度評価と東北日本沖における海底地殻変動の解明
測地学的手法を総合的に活用した地球内部構造とダイナミクスの解明
球成層粘弾性地球モデルを用いた巨大地震による地殻変動及び重力場の時空間変動に関する理論計算手法の確立
宇宙測地技術における電波伝播の高精度補正
測地学的データに基づくプレート間相互作用の解明
レーザー干渉法の精密測地観測への応用
海底地殻変動観測のための精密海底測位手法の確立などの海洋測地学への貢献
測地観測における環境影響の解明とその活用
GPS観測データを用いた長基線キネマティック測位の高度化と震源過程の研究に対する新たな展開
地球センサーとしてのGPS連続観測網の高度化―GPS観測量に含まれるシグナルとノイズの分離―
衛星レーザー測距データの高精度解析に関する研究
合成開口レーダー干渉法の高精度化と地殻変動解析への応用
地球システム科学的手法による極運動の励起源の解明
日本のジオイドの重力手法による精密決定
深海潜水船による海底重力測定
表面力と衛星測地技術
GPS精密軌道決定とその新しい応用−国土地理院におけるGPS精密軌道追跡−
日本およびその周辺のジオイドの精密決定
地震および火山噴火によって生じる重力とポテンシャルの変化−ディスロケーション理論に基づく定式化
日本におけるGPS観測研究の基礎の確立とGPSによる地殻変動の先駆的観測研究
海陸統合測地観測に基づく2011 年東北地方太平洋沖地震に関する研究
測地衛星「あじさい」の開発と観測による測地学への貢献
月探査周回衛星(SELENE)計画における月の測地学の推進
「だいち」搭載の合成開口レーダー(PALSAR)によるInSAR観測の高度化の実現
GPS気象学:GPS水蒸気情報システムの構築と気象学・測地学・水文学への応用に関する研究
南極大陸のダイナミクス:測地学的研究の幕開けとしての1990年代の貢献
日本測地系の世界測地系への移行の実施
人工衛星レーザー測距観測による測地学、衛星軌道決定への貢献及び我が国測地系への世界測地系の導入
西南日本重力データベースの構築および公表
潮汐プログラムBAYTAP-Gの開発研究